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  • 2列型キッチン(Ⅱ型キッチン)の選び方とは?注意しておくべきポイントをご紹介

昨今、ご新築やキッチンのリフォームをする際に、2列型キッチンの導入を検討する方が増えてきています。

それは、単純に「おしゃれだから」という理由だけではなく、調理スペースを広く確保できることで複数人でも作業がしやすいなど、実用的なメリットがいくつもあるからです。
しかし、適切な選び方をしないと使い勝手がかえって悪くなってしまうことも。

後々「こうしておけばよかった…」と後悔してしまわないためにも、ぜひ今回の記事をご覧いただき、プランニングをする際の参考にしていただければと思います。


目次

  • 1:2列型キッチンとは?
  • 2:2列型キッチンのレイアウトについて
    (オープン型/フラット型)
  • 3:2列型キッチンを選ぶメリット
  • 4:2列型キッチンを選ぶ際に注意しておくべきポイント

2列型キッチン(Ⅱ型キッチン)とは?

2列型キッチンとは、シンクとコンロを前後に配置したキッチンのことです。
片方はオープンスタイルとし、もう片方は壁側に向けて配置をすることで、対面式キッチンと壁付けキッチンの「いいとこ取り」を叶えたスタイルです。

ただ、一口に2列型キッチンといってもさまざまな種類が存在します。
ここからは、実際に2列型キッチンを採用された皆さまの実例をふまえながら、レイアウトのご紹介や、プランニングの際に注目しておくべきポイントを詳しく解説していきます。

2列型キッチン(Ⅱ型キッチン)のレイアウトについて

2列型キッチンには多数のレイアウトがありますが、ここでは特に人気が高く採用される方の多い「オープン型」と「セミオープン型」の2種類のレイアウトをご紹介していきます。

●オープン型

オープン型は、キッチンとリビングダイニングとの間に壁がなく、開放感あふれるレイアウトが魅力です。
作業をしながら周囲の様子を確認できるので、家族やゲストと一緒にキッチンを囲みながら料理を楽しめます。

オープン型の実例をご紹介~

こちらは、ナチュラルスタイルをベースに洗練された住まいを実現された@tabi_to_kurasuさまのお住まいです。
メニュー開発やレシピ提供、料理教室など、食の分野で活躍されている@tabi_to_kurasuさまは、シンクとガス台の距離が近く、調理中に無駄な動きをしなくて済むとの理由から2列型キッチンをご採用されました。

シンク側は、家族やゲストが気軽に行き来をしやすいように、回遊性のあるアイランド型を選ばれました。
冷蔵庫をガス台の隣に配置したことで、さらに利便性が高まったそうです。
おかげで気軽にゲストを迎えられ、誰もが快適にくつろげる憧れのLDK空間となりました。

●セミオープン型

セミオープン型は、キッチンとダイニングの間に部分的な壁を設置することで、適度な仕切りを作るレイアウトです。
オープン型に比べて開放感はやや劣りますが、作業中の手元を隠すことができ、水はねや飛び散り汚れなど、周囲への影響も最小限に抑えることができます。

~セミオープン型の実例をご紹介~

こちらは、Uさまのお住まいです。
ライフスタイルの変化によりご自宅にいる機会が増えたため、新しい暮らしに合った住まいにしようとのことでフルリノベーションをされました。

元々独立型の壁付けキッチンを使用していたUさまですが、シンク側をリビングに向けた2列型キッチンをご採用。
どこからでもパークビューが臨める開放的なLDK空間を実現されました。
シンク側はセミオープン型にすることで、視野の広さは残しつつ、調理中などの飛び散り汚れにも対応できる実用性も考慮。
ご夫婦ともに気兼ねなく調理を楽しめる素敵な住まいが完成しました。

以上のようなプランバリエーションの他にも、オープン側にコンロ、壁側にシンクというようにお好みに合わせてカスタムができる自由度の高さも2列型ならではの魅力。
とはいえ「コンロの配管位置をそのまま活かして、リフォーム費用を抑えたい」…などの現実的な理由から、壁側にコンロを配置したプランを検討される方が比較的多いようです。

2列型キッチン(Ⅱ型キッチン)を選ぶメリット

2列型キッチンを選ぶメリットは、主にこちらの5つです。

  • ①周囲とのコミュニケーションが取りやすい
  • ②作業動線を短くできる
  • ③作業スペースを広くとれる
  • ④掃除がしやすく煙やにおいも広がりにくい
  • ⑤すっきりとしたLDK空間を実現できる

以下、詳しく解説していきます。

①周囲とのコミュニケーションが取りやすい

2列型キッチンは、シンクとコンロが2つに分かれているため、複数人での作業がしやすいという特徴があります。
親子で一緒に料理を楽しんだり、夫婦で役割分担して調理したりすることが可能です。
さらに、オープン型のレイアウトを選ぶと、キッチンとリビングの一体感が生まれ、料理をしながら家族との会話も楽しめます。
キッチンに集まって家族やゲストとのコミュニケーションを図りたい場合、2列型キッチンはとくにおすすめです。

Ⅱ型キッチン

②作業動線を短くできる

2列型キッチンは、動きやすくて作業効率のよいワークトライアングルを実現しやすいところもポイントです。
ワークトライアングルとは、冷蔵庫・シンク・コンロの3か所を結ぶ三角形の作業動線のこと。

2列型キッチンのワークトライアングル

このワークトライアングルは、小さすぎても大きすぎてもダメで、3辺の合計が360cm~600cmに収まるような配置がベストと言われています。
また、トライアングルの形が正三角形に近くなるほどキッチンでの作業効率はアップします。
2列型キッチンは冷蔵庫・シンク・コンロの3か所を適切な位置に調整しやすいため、I型キッチンに比べて家事動線を短くすることができます。
毎日行う家事だからこそ、効率的な動線を意識したレイアウトを取り入れてみましょう。

③作業スペースを広くとれる

2列型キッチンは、シンク側とコンロ側に2つのキャビネットがあるため、作業スペースを広く確保しやすい点も特徴です。
調理スペースが広いため、必要な道具や食材をゆとりをもって配置できることに加え、複数人で同時に調理することも可能です。
広いスペースを使うパンやお菓子作りなどもしやすく、粉や食材が飛び散っても快適に作業が行えます。

④掃除しやすく煙やにおいも広がりにくい

壁側にコンロを設置した2列型キッチンは、調理中の油はねも簡単に掃除できます。
さらに、コンロ周辺は防汚加工が施された壁やキッチンパネルを設置することで、軽く拭き取るだけでお手入れが完了します。
また、料理中の煙やにおいは、壁だけでなくソファやカーテンなどのファブリックにも付きやすくなかなか取れないことも…。
レンジフードが壁側にある2列型キッチンなら、一般的な対面式キッチンと比べて煙や料理のにおいがリビングに広がりにくいところも強みです。

⑤すっきりとしたLDK空間を実現できる

壁側にコンロを配置すると、レンジフードもその上部に設置されます。
つまり、レンジフードが空間の端に寄ったレイアウトとなり、リビングからの見た目もすっきりとした印象にすることができます。
(以下の写真は色の違いによる見え方の差もありますが)キッチンが住まいの中心にある間取りなど、できるだけすっきりとしたLDK空間を実現されたい方は”レンジフードを壁側に配置した”2列型キッチンがおすすめです。

Ⅱ型キッチン
レンジフードが壁側に設置された場合
アイランドキッチン
レンジフードが対面側に設置された場合

2列型キッチン(Ⅱ型キッチン)を選ぶ際に注意しておくべきポイント

2列型キッチンには、たくさんのメリットがある一方で、選ぶ前に注意しておくべきポイントがあることも意識しておく必要があります。

  • ①設置スペースを広めに確保する必要がある
  • ②家全体の希望も含めて、予算を考慮する必要がある
  • ③作業中、体の向きを頻繁に変える必要がある
  • ④家電の置き場所を検討しておく必要がある

以下、詳しく解説していきます。

①設置スペースを広めに確保する必要がある

2列型キッチンは作業効率が高く使いやすいレイアウトですが、設置をするにはシンク側とコンロ側の2台分(奥行き60cm~65cm×2台)の広さが必要です。さらに、その間の通路幅(90cm~120cm程)も確保しないといけません。

Ⅱ型キッチン

スペースに限りがある住宅では、2列型キッチンを採用すること自体が難しい場合がありますので、まずは間取り全体の配置を考えつつ、ハウスメーカーや設計士に相談をしながら検討を進めていくことをおすすめします。

②住まい全体の希望も含めて、予算を考慮する必要がある

2列型キッチンはキッチン2台分なので、価格もI型キッチンと比べて高額になります。
また、対面側をアイランド型やペニンシュラ型などのオープンタイプのものにすると、キッチンを構成する部材が増えるため価格が上がりやすくなります。
実際にかかる費用は建築側の工事でかかる金額とのバランスにはなりますが、水栓・コンロなどの設備機器や、扉グレードによっても料金が大きく変わるため、全体的なバランスを考慮しながら選ぶことがポイントです。

③作業中、体の向きを頻繁に変える必要がある

2列型キッチンは、シンクとコンロが前後に配置されているため、調理中に体の向きを頻繁に変える必要があります。
たとえば、茹でた麺をコンロからシンクに移動する際や、洗った野菜をコンロ側に戻す際など、体を何度も回転させる必要があります。
また、濡れたものを運ぶ際に床を汚しやすいという難点も。
その対策としてキッチンの通路まわりだけでも耐水性のある床材を選んでおくと安心です。

④家電の置き場所を検討する必要がある

2列型キッチンを使用する際、家電の置き場所は慎重に検討する必要があります。
あらかじめ家電の置き場所を用意しておかないと、カウンターの上が家電で埋もれてしまい、結果的に煩雑な印象となってしまうためです。
特に最近は便利な調理家電が増えていることもあり、コンロ側のカウンター上に電子レンジやトースター、炊飯器、ケトルのほかにも、自動調理器、ブレンダー、炭酸メーカーなど…。
いつの間にか家電でいっぱいになっていた、なんてことも。
こうした問題を解決するのが、キッチン内に家電を組み込んだビルトイン式家電や、家電収納専用キャビネットなどです。

家電収納
家電送風機付キャビネット
家電収納
家電ストッカー

トクラスでは、カウンター下に炊飯器やケトルを置いても蒸気がこもらないように送風ファンを搭載した「家電送風機付キャビネット」や、調理家電をすっきりとひとまとめにできる「家電ストッカー」をご提案しています。
2列型にしたいけど、家電もたくさん置きたい…という方はぜひご相談ください。

さいごに

2列型キッチンは、シンクとコンロが前後に配置された「見た目と実用性」に優れたレイアウトです。
しかし各々のライフスタイルや、住まい全体の希望条件によっておすすめのキッチンプランは異なってきます。
このような注意点を踏まえたうえで2列型キッチンを取り入れるべきかどうか、今一度検討することが重要です。

ショールーム相談

トクラスショールームでは、自由見学もしくはお客様の調理スタイルやご自宅の間取りに合わせたプランニングのご相談も承っています。
ご自宅にいながら相談いただけるオンラインショールームやメール相談もご用意しております。
満足度の高いキッチンプランのために、ぜひご活用ください。

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