• Case : 23

N様ご夫婦が暮らすのは、築19年のマンション。子どもたちの独立を機に、リフォームを考えました。ご夫婦がこれからの人生をゆったりと過ごすために希望したのは、できるだけシンプルに、そして、どこにいても光と風を感じられるような快適な空間。リフォームで、バルコニーから玄関まで光と風が通りぬけ、開放感あふれる住まいへと生まれ変わりました。

玄関ホールと廊下を拡張し光と風を確保

「光と風を感じられる住まい」を叶えるために施した第一のポイントが、玄関ホールと廊下を拡張したことです。リフォーム前は廊下の両側に居室が配置され、少し圧迫感のある造りでしたが、以前と比べて約2倍の幅を確保。ベランダからの光が玄関までやさしく差し込み、ベランダの窓を開け放てば、清々しい風も通ります。拡張した理由には、採光だけではなくバリアフリー化の意味合いも。将来、車いすが必要になったときに備え、ストレスなく中に入れるように設計されています。その分、各所にあった収納を取り払い、玄関右側の1部屋を大容量のWICに変更し1カ所に集約。WICはウエスタンドアを取り付けた玄関横からと、廊下側からの2方向から出入りできるようになっています。各部屋に収納があったほうが便利と思いがちですが、「どこの収納にしまったのかわからなくなることもしばしば。1カ所にまとめることで、探し回る手間がなくなりました」と奥さま。

お子さまが使っていたキッチン脇の1部屋はオープンな多目的スペースに。住まいのコンセプトは、「ワンルームのような空間」ですが、「隠れ家のような空間もほしい」というのがご主人の希望。将来はご主人の趣味部屋になる予定です。

室内窓で各居室にも光と風を

「光と風を感じられる」住まいを叶える2つ目のポイントが室内窓。キッチンと多目的スペースをつなぐ壁や、廊下と寝室の間の壁などに、小窓を組み合わせた室内窓を設置することで、光と風を通しつつ、デザイン性も高めています。奥さまは、光の揺らぎを感じられるデザインガラスがとても気に入っているそうです。開放感いっぱいのLDKで際立つのが、キッチンに造作したカウンターテーブル。「ダイニングテーブルは不要で、カウンターテーブルをメインにしたい」というご夫婦の希望を叶えました。お2人が座ったとき、ちょうど90℃に向かい合うように施工したカウンターのカーブが絶妙で、会話がしやすいそうです。木材には、丈夫で美しい木目が特徴のタモ材を使用。少し高めに設置したため「バーのいるような感覚でお酒が楽しめる」とご主人もお気に入りです。キッチンはトクラスの「Berry」。デザインとワークトップの使いやすさが気に入り、決定したと言います。以前は食器棚がキッチンスペースを圧迫し、取り出しも不便だったそうですが、今はキッチンの下と壁側の作業台の下に引き出し式の収納を設置。食器や調理器具はすべておさまり、2人が十分にすれ違えるスペースも生まれて動線がスッキリしました。

キッチンから見て右側はリビングスペース。パインの床が足にやさしく、ソファやテレビ台、ピアノのブラウンの色合いともマッチしています。22.4畳の広いリビングダイニングは、ご夫婦だけでなく、訪れたお子さまたちにとっても、くつろげるスペースになっています。寝転んでも広々と気持ちいので、娘さんはヨガを楽しむこともあるそうです。

室内のドアの多くを引き戸に変更。スーッと楽に開閉できる引き戸になったことで、ご夫婦共にストレスがなくなったそうです。一方、玄関ホールからLDKにつながる部分にはアクセント扉を設置しました。閉めていても、大きなガラス扉が光を透し、黒枠が空間を引き締めます。トイレの床にはトーンに合わせたタイルを貼り、スタイリッシュに。こちらにも室内窓を付けて風が通る仕組みになっています。さらに、居室に加えてトイレのドアを引き戸にしたことや、トイレと繋がる浴室への扉を大きくしたのは、バリアフリーの一環でもあります。

できるだけスッキリと、究極は「手入れをしなくても快適に暮らせること」が理想というN様ご夫婦。リフォームをしたことで、お2人のこれからの生活にマッチした、シンプルでミニマム、かつ極上の心地良さを感じられる住まいに生まれ変わりました。

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