• Case : 22

S様ご夫婦のお住まいは、築24年のマンション。2人の子どもたちが独立したのを機に、リフォームを考え始めたそうです。ご夫婦ともに自然が大好きで、木のぬくもりを感じられる住まいにしたいというコンセプトをもとに、打ち合わせを重ねて出てきたのが、「山小屋カフェ」というキーワード。ご夫婦の希望をかなえつつ、愛犬とゆったりと過ごせる住まいに生まれ変わりました。

LDKをひとつながりの空間にすることで、動線もすっきり

ご夫婦でお仕事をしているため、のんびりと過ごせるのは日曜日のみ。平日の仕事後の時間を含めた限られた余暇をよりくつろげるようにするため、リビングに隣接していた和室と、キッチンを囲んでいた壁を取り払い開放的なLDKに変更しました。

さらに、LDKの窓にはペアガラスの内窓を設置。解放感に加え、断熱性、防音性が高まり、より快適な空間に。「完成から1年経ち、夏も冬も経験しましたが、過ごしやすさが格段に違いますね」。LDKが快適になったことで、奥様の趣味であるプリザーブドフラワーの創作に、より一層没頭できているそうです。

ご主人一番のこだわりがキッチンカウンター側面の意匠性。「LDKのシンボルになるように木材を貼りたい」というのがたっての希望でした。たくさんのサンプルの中から選んだのは、無垢杉。下地に黒のクロスを貼り、杉の質感をより際立たせています。「杉は香りも強くまさに森林浴をしているような気分になります。経年とともに現れる木の風合いの変化も楽しんでいきたいですね」とご主人。

「山小屋」の雰囲気をより醸し出すため、天井には木目調のビニールクロスを貼りました。さらにマンションの構造上、手を加えられない天井部の梁をうまく利用して間接照明を設置。照明は、プランナーの提案にあったものを、照明関係の仕事をしているご夫婦が、自ら手配したもので、「お酒を飲む」「映画を観る」などのシーンに合わせて照明を変えられるのが特徴です。

使いやすいシステムキッチン、理想のウォークインクローゼットも完成

以前の間取りでもっとも不便に感じていたのが、狭くて作業のしづらいキッチンでした。リフォームでは、和室を改装してキッチンスペースを広げ、シンクからワークスペース、コンロ、冷蔵庫を一直線に配置。「広くなったうえに、動きにも無駄がなく、使い勝手が格段によくなりました」と奥様。キッチンスペースの床には、水や油跳ねに強く掃除がしやすいビニールのフロアタイルを採用し、手入れについても配慮がなされています。キッチンの背面は全面収納に。収納扉には空間を引き締める効果がある重厚な質感のクロスを貼りました。さらに収納内の棚は、収納扉を開けた際にも違和感がないようにとLDKと同じクロスを貼るという工夫を施しました。

ステンレスの冷たい質感が好みではないというご夫婦が選んだのは、トクラスの人造大理石キッチン。シックな色味の「ハイグラーナブラック」が決め手でした。手入れのしやすさに加えて深めの引き出しも使いやすく、奥さまのお気に入りです。

キッチンと隣接するダイニングの収納下部には、愛犬モカちゃんのケージがすっぽりと収まるリラックススペースを確保。フローリングはひっかき傷に強いシート張りのものにしたので、元気に走り回っても安心です。

LDKの改装に加えて、ご夫婦ともに希望していたのがウォークインクローゼットでした。そこで、かつての子ども部屋を丸ごとウォークインクローゼットに。奥さまの和服を収納する引き出し、丈の長い服もそのまま掛けられるスペース、小物をしまえる棚など、多種多様なものがすっきりと収納できるつくりになっています。あわせて寝室にも、ご主人専用ウォークインクローゼットを設けました。

また、それぞれの空間でそれぞれ完結するのではなく、住まい全体のカラーコーディネートにこだわっているのも、S様邸の特長。例えば、ドアはキッチン背面の扉と同じ色・素材を使い、統一感を持たせています。

「思い描いた以上ですね」と満足気に話すご夫婦。子どもたちが巣立った今、愛犬とともに、のんびりと過ごせる住まいができあがりました。

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