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  • 祖父母の面影を残しながら、家族4人のくらしにフィットする住み継がれる家に
  • Case : 20

F様ご一家の住まいは、奥さまのお祖父さま、お祖母さまがかつて暮らしていた築40年の木造住宅。入居にあたり、当初は屋根の葺き替えや外壁の塗装、水まわり設備の交換など老朽化した部分のリフォームのみを検討していました。しかし、家をすみずみまで活用したいという思いから、家族のライフスタイルに合わせて間取りを変更。祖父母の思いを感じながら、快適に暮らすことができる理想の住まいが完成しました。

週末の団らんが充実する、明るく開放的なLDK

ご夫婦が共働きで、子どもたちも学校や習いごとで忙しいF様ご一家が、団らんの時間をつくれるのは週末。貴重な日曜日に家族が集って憩いの時間を過ごすことができるように、最も日当たりが良い南側の二間続きの和室だったところを、オープンなLDKに間取り変更しました。休日は、ほとんどの時間を家族揃ってこの空間で過ごしているといいます。

「昔ながらの風情があり、四季の移ろいを感じられる点が魅力の雪見障子は、ぜひ残したいと思っていました」とプランナーの伊地知さん。雪見障子はサイズを調整し、敷居を細いレールに交換。取り外した際に床がフラットになることでLDKと縁側の一体感が高まりました。障子を外してLDKの一角として使うほか、障子を閉めてサンルーム代わりに活用するなど、間仕切りの仕方を変えるだけで、部屋の広さや用途の幅が広がるように。縁側とLDKを仕切る雪見障子を取り外すと、たっぷり日が差し込みます。「祖父母が居間として使っていた北側の和室と比べると、格段に明るく感じますね」と奥さま。

開放感のある間取りを活かしたいと、奥さまの希望で目隠しのないフラットなオープンキッチンを採用しました。奥さまが調理しながら団らんに参加できる利点もあります。また、テレビボードは造作にすることですっきりとした印象に。建具の色に合わせて塗装することで、インテリアに統一感が出ました。

縁側の先にはウッドデッキを設置。庭とのつながりが生まれ、一層LDKを広く明るく感じられるようになりました。庭には柿の木など、祖父母が大切に育てていた庭木が残されています。ウッドデッキの施工には、設計・施工会社のスタッフとともに、ご家族も参加されました。二人の娘さんも塗装を手伝うなど、リフォームの一番の思い出になったと語ります。ウッドデッキは、ふだんは子どもたちの遊び場になっています。夏には親戚や友人を招いてバーベキューも楽しんだそう。

スムーズな家事動線や、お手入れの手軽さにこだわったキッチン

キッチンは、夫婦ふたりで作業してもゆとりのある広さに設計。「高い機能性とお手入れのしやすさが、Berryを選んだ決め手でした」と奥さま。高級感漂う、美しい鏡面仕上げも魅力のひとつだったとか。飴色に変化している階段や柱など、既存の建材とも相性の良いシックな「ダークグロッシー」を採用しました。

キッチンを、すっきり広々と使うために、オーブンレンジをキッチンのIHヒーター下にビルトインしています。IHヒーター横の壁面に貼ったタイルは奥さまとご主人で選びました。「住まいの雰囲気に合う、シックな色と洗練された印象の細い形状が好みです」。キッチン背面に設けたパントリーも、キッチンが片づいた状態をキープするのにひと役買っています。「祖母が愛用していた食器棚を収めてもらいました。思い出の家具を取り入れたプランにしてくれたのがうれしい」と奥さま。

パントリー裏の書斎は、ご主人が自宅で事務作業をしたり、趣味の時間を楽しんだりするスペース。リビング前のウッドデッキが書斎前までつながっており、子どもたちの遊ぶ様子を眺められます。LDKの床材は既存の柱や建具に合わせて選んだチーク材を採用。パントリーや書斎などプライベートかつ比較的狭いスペースには、パイン材のフローリングを張り、広く明るく見せるよう工夫しました。

元々キッチンだったスペースはシューズクローゼットに改装し、さらにウォークインクローゼットと隣接するレイアウトにしました。「出勤、通学の準備や、帰宅後の上着やバッグの収納がスムーズにできて、非常に便利です。外からのホコリや汚れを室内に持ち込むことがないので安心ですね」とご主人。

狭かった洗面室とタイル張りの浴室は、スペースを拡張して、使い勝手の悪さも改善しました。収納が一体化した造作の洗面台はスライド式の鏡付きで、生活感の出るこまごました洗面道具を隠すことができます。浴室は50cm増築して、システムバスルーム「Beaut」の1坪タイプを採用。「足をゆったり広げて湯船に浸かれる」と、ご主人も満足そう。ご夫婦のお気に入りは浴室に搭載された高音質スピーカー「サウンドシャワー」。好きな音楽を聴きながら、一日の疲れを癒す時間は至福のひとときだといいます。

内装、外観ともに昔ながらの佇まいを残して

階段をそのまま残すほか、和風建築の伝統的な仕様である真壁づくりの壁面を活かし、祖父母時代の住まいの面影を残しました。時を経て飴色に変化した味わい深い柱などとマッチするよう、扉はすべて建具職人にオーダーしました。あえてレトロな揺らぎのあるガラスをいくつか提案して、ご夫婦に選んでもらったそう。住まいに味わい深い表情をプラスしています。

外観のデザインは大きく変えずに、昔ながらの佇まいを残しました。玄関扉や雨戸などの建具は、以前のものを再塗装して活用しています。

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