S様一家が暮らすのは、2年前に越してきた3階建ての一軒家。「建売住宅だったのですが設計段階で購入を決めたため、自分たちの暮らしに合わせて間取りや設備をほぼ自由に決められたのが幸運でした」。1階はアウトドア用品の収納庫と水まわりにあて、日当たりのいい2階に、ワンフロア使ったオープンなLDKを設けました。

リビングの奥は書斎コーナー。システムエンジニアのご主人が家で仕事をすることもあるため、作業しやすいよう広めのデスクをサイズオーダーしました。壁の飾り棚には家族写真や好きで集めた人形や雑貨を飾り、にぎやかに演出しています。

デスクに置かれたフレームの中身は、ご主人に贈った手作りのバースデーカード。娘さんの足型に奥さまがイラストとメッセージを描き加えました。「娘は大のパパっ子。平日は仕事が忙しくなかなか父娘で顔を合わせられない分、休みの日は夫と遊ぶのを楽しみにしています」と奥さま。

3歳になる娘さんは料理に興味津々でお手伝いが大好き。家で過ごす休日は、一緒に作った軽食を囲んでゆったりブランチ。お気に入りはホットプレートのたこ焼き型で作るベビーカステラ。葉野菜が苦手な娘さんのためにほうれん草のペーストを生地に練り込んだ特製レシピです。

システムキッチンはいくつかのメーカーを比較検討し、清掃性を決め手に選びました。「特にレンジフードが優秀で、換気性能がいいのでレンジまわりが汚れにくく、ふだんのお手入れも簡単。揚げ物をよく作るのでうれしいですね。使ってみて本当に掃除が楽なので、姉が家を建てた際にも同じキッチンをおすすめしました」。

人造大理石のシンクはナチュラルな印象のベージュ色の半円形タイプをチョイス。シンクの掃除はご主人の担当で、月に1回ほど全体を磨き、専用のワックスを塗ってコーティングしています。「いつもきれいにしてくれるので助かります」と奥さま。

キッチンの背面には吊り戸棚と引き出し収納を設置。シンクのベージュに合わせた淡い扉カラーが、白が基調の空間にあたたかみをプラスしています。壁付けのシェルフにはお気に入りのコーヒー用品などをディスプレイ。忙しい家事の合間も、コーヒーを淹れている時間はほっと癒やされるひとときだそう。

「さあ焼けてきたよ～！」「今日もおいしくできたかな？」――。ダイニングはほんのり甘いおいしそうなカステラの匂いと、団欒の空気に包まれます。自分らしくしつらえた住まいを彩るいちばんの宝物は、3人の楽しそうな声かもしれません。